2013/12/07

超私的2014年ベストアルバム


12月も第2週に突入し、年末も迫っていることだし個人的に今年購入したアルバムで気に入ったベスト3をあげておきたい。

第1位:

普通は第3位から始めるがブログだとじらす意味もあまりないので1位から発表します!


Burstin' Out!  by  Chicago Jazz Orchestra with Cyrille Aimee

購入したのは11月と遅めだが、自信を持ってこのアルバムがベストと言える。このアルバムの魅力はビッグバンドの魅力を存分に味合わせてくれる所。ノリの良いアップテンポな曲が多いせいで聴いている間スウィングしっぱなし。これがとても楽しく、出勤のためのドライブでも気分をポジティブにしてくれる。
それに加えてボーカルの Cyrille Aimee が素晴らしい。まず彼女の声が魅力的で聴き続けても飽きない。太い声質ではないが、それでもバンドに負けていない。歌の解釈、テクニックも疑いなく一流だ。

これまでこの手のアルバムはあまり聴き続けることがなかったが、本アルバムは別格だ。
多分、Brian Setzer Orchestra の作品と同様にずっとお気に入りであり続けることになるだろう。


第2位:






Border-Free by Chucho Valdes

どちらかというとラテンジャズなんだけどそれに留まらない。全編通じて熱いピアノプレイが魅力。しかし個人的に一番のお気に入りは2曲目の Caridad Amaro。これはおすすめ!一度聴いたら忘れない。


第3位:



 Bridge Across Forever by Transatlantic

ごめんなさい。これは新譜ではなくて発売は 2001 年なんだけど、Transatlantic を聴き始めたのは今年だし買ったのも今年なので一応ランクに入れておく。
往年のプログレファンとしては安心して聴けるプログレ。基本的には曲調が明るいのでどちらかというと Yes/Genesis 系と言える(しかし随所に Pink Floyd 等からもらったアイディアもちりばめられている)。メンバーが共通なので一瞬 Dream Theater かと思うフレーズも入る。
プログレの趣旨からすると「安心して聴ける」などというと価値が下がると思う人がいるかもしれないが、もはやプログレというのは1ジャンルとして決められた形式を持つ音楽なので、その基本に忠実に質を高めて行くというのはそれはそれで茨の道であり、Transatlantic はその道を行く第一人者であると思う。


第3位タイ:

 

The Descendants [Soundtrack]

これについては1つ前のポスト「プチハワイ体験」を参照ください。


2013/10/29

プチハワイ体験

この前の日本出張、行きは珍しくサンフランシスコから成田への直行便が取れた。
搭乗して無事離陸、さて映画は何があるかな、とざっとラインアップを眺めてみたがあまり目を引くものも無い。その中で選んだのが「The Descendants 」(日本版のタイトルはファミリーツリーというらしい。このタイトルは内容に即していてとても良いと思う)。理由は George Clooney が主演だったから。

======= ここからネタバレ ========
ネタバレすると、ハワイの広大な土地を先祖から受け継いだ一族の長(というか管財人)が、事故で植物状態になった妻の浮気相手を探り、対決しに行く。それを通して娘達との関係と一族にとっての価値観の再構築が行われていくという、結構内容はシリアスなのだが一応コメディタッチで描かれた映画。
======= ネタバレ終わり ========

ハワイの人々の話なのに日系人はじめ東洋系の人があまり登場しないので少し物足りないが、家族とは何か、を深く考えさせられる映画で観てよかったし、出来ればもう一度観たいくらいだ。

そして、音楽にはまった。スラックキーギター+ハワイアンミュージックがこれでもかとバックで流れ、もう音楽だけでも目が(耳が)離せない。

カリフォルニアに引っ越してから改めて実感したのだが、やはりそれぞれの土地とその気候はご当地の音楽とかなりの確率でぴったりとはまる。カリフォルニアでウエストコーストのサウンドが一番なのと同じで、ハワイの音楽はやはりハワイで最も自然に映える。

映画を堪能して、エンドロールの直前くらいだったろうか。突然機長さんからのアナウンスが。「当機は急病人発生のため、ホノルル国際空港に緊急着陸する事になりました」うおっ!まじで。もう気持ちは完全にハワイ!

搭乗機はホノルルに着陸し、急病人の方は救急車で運ばれ(後で知らされたのだが入院して順調に回復されたらしい)、さてこの後どうなるかと思ったら「当機はここで泊まります。振替便は無いので、明日皆様を成田にお連れします」ということでホノルルで一泊することになった。一日遅れても社外ミーティングには支障はないし、ラッキー!

ということで、ホテルまで送迎され、ほんの数時間だけだがワイキキをぶらついた。そこで本当に偶然に撮れた神ショット!


 多分これまでに自分た撮ってきた写真の中で一番きれいだと思われる(^^)

ワイキキは多分13年ぶり、ということで、かすかな記憶をたよりにフードコートを見つけてベトナムフードを食べてきた。
家族へのお土産と自分のアロハシャツを買って、翌日朝には成田に出発。でも成田に着いたら日本は10月なのに夏の気温!アロハシャツが無かったら大変なことになるところだった。

ということで、突然のプチハワイ体験、帰ってから「 The Descendants 」のサウンドトラックを購入。現在ヘビーローテーション中。特に昼寝に最高!



2013/10/20

なぜ Paul は(立ち姿が)カッコいいのか!

先日日本出張の折り、飛行機で Wings の Rockshow を観る機会があった。

Rockshow といえは、Wings Over USA の映像版ではないか!これまで観る機会が無かったので狂喜乱舞した私は画面を食い入るように見つめたのだった。

音だけだと今ひとつ分からなかったメンバー間の楽器の分担もはっきりして長年の疑問が解消された。

そして何より、「やっぱり Paul はカッコいいぞ!特に Rickenbacker を弾いているとき」という感動に包まれたのだった。

実は私は Rickenbacker を弾いている時の Paul が立ち姿的に大好きであり、Violin Bass についてはあまり好きではない。Violin Bass は彼にはボディが小さすぎてどう考えても不釣り合いだ。

しかし、なぜ Paul は他のベーシストよりも立ち姿的に飛び抜けてカッコいいのだろうか。

ということで、何はともあれ記録ということで写真をとった。





写真なので動きが無く残念。しかしながらこの写真だけでも惚れ惚れするかっこよさである。

これを、もう一人の神様的ベーシスト Marcus Miller と比べてみよう。
Marcus ももちろん超カッコいいのであるが、やっぱり雰囲気が違う。
まず使っているベースが Jazz Bass であるというところが違うし、あと右手がサムピングである所も違う。Paul はピック弾きなので、右手の弦に対する角度が違い、よって体とベースのボディとの接し方(体への当て方というか)が変わってくる。これが違いを生んでいるように思う。

では、今度は使っているベースが(ほとんど)同じ Rickenbacker で、右手もピック弾きというベーシストと比べてみる。

Yes の Chris Squire である。彼もサウンドとプレイについてはむちゃむちゃカッコいいのであるが、立ち姿については特に感動した事は(私は)ない。


さて、両者を比べるために、左利きの Paul を右に反転してそろえてみる。
両者比較していくつか違う点を挙げて見よう。

まず体の軸とネックの角度であるように思われる。Paul の方角度が大きく開いている(より水平に近い)。

そして、右手のピッキング位置が、Paul はよりブリッジに近い。Squire の場合、彼独自のサウンド作りのために非常に薄いピックで繊細にピッキングをしていると読んだことがある。よりダイナミクスの大きなサウンドを得るためにはフロントピッキングの場合が多いだろう。一方、Paul はフラットワウンドの弦をごりごりとミュートも加えて弾いていることが多く(ほとんどアタックだけが聞こえるような)、それだとリアよりでピッキングした方が良い。

ベースの高さなのだが、よく見えないが多分 Paul の方が少しだけ低いように見える(服のデザインでそう見えるだけかもしれない)。ボディを低く構えると、左手が非常に弾きにくくなる。左手だけ考えると、ある程度高く構えたくなる。理想的には座ってベースを構えたとき(この時は体の軸とネックの角度は自然と大きくなる)くらいには 高くしたい訳だが、Paul は絶対それより低いと思う。つまり、Paul は手が長いからできることなんだ!

一方、極端に高くすると
田端義夫先生になります(今年4月にお亡くなりになっていました。お悔やみ申し上げます)。Steve Howe もこんな感じ。

 ということで、Paul の場合、
  • 手が長いことを生かし、ベースを低い位置にかまえかつネックを水平に近づけている
  • ピック弾きを比較的リアで行う
  • Rickenbacker (4001) を使っている
等々が要素となり立ち姿がカッコいい、ということではなかろうか。







私にはまねできない。いろんな意味で。









2013/09/02

スマホで音楽再生、ブライドテストしてみました

娘に手伝ってもらって、今持っているスマホで音楽再生のブラインドテストをしてみた。
テストも感想も個人的な経験に基づくもので、特に客観性もないので参考程度に見ていただきたい。

そもそも、私自身のニーズがあまり一般的ではないかもしれない。「主にイヤフォンによる音楽再生を楽しみ、かつ電話がかかってきたらすぐ対応しなければならない」「メール等の受信は一定時間で必要だが、チャットやテキストは使わない」「自分がベーシストなので低音重視だが全体にきれいに鳴ってほしい」という非常にニッチな要求がある。

実際のデバイスを操作して聞き比べると、デバイスへの思い込みがあってどうしても純粋に音だけで判断しがたいので、ブライドテストをしてみたという次第だ。

使用機材は以下の通り。

  1. イヤフォン
    1. Sony Ericsson MH10 (Xperia ION Xperia TL 付属ヘッドセットだったと思う。純粋なカナル型ではないがゴムのイヤーパッドのおかげで遮音性はよい。低音はしっかり出るが高音が出にくい)。(*1)
    2. AKG K313 Coral (セミオープン型。遮音性はない。オープンなので重低音は基本的に望めない。赤坂のビックカメラの試聴コーナーで片っ端から試した結果、5千円以下では最もゴージャスな音がしたので購入)
  2. スマートフォン
    1. iPhone5 AT&T モデル
      1. 使用アプリ:Music (Apple 純正アプリ)
    2. Samsung Galaxy S4 Verizon モデル
      1. 使用アプリ:Play Music (Google製Music アプリ)
      2. 使用アプリ:Music (Samsung 純正アプリ)
      3. 使用アプリ:Double Twist
    3. Xperia UL
      1. 使用アプリ:Walkman (SONY 純正アプリ)
  3. 試聴曲
    1. Fourplay/Fourplay - 101 Eastbound
      1. MP3 160kbps Stereo, sample late 44,100 kHz
    2. 久石譲/菊次郎の夏- Summer
      1. MP3 219kbps(VBR) Stereo, sample late 44,100 kHz
使用機材については、単にすぐ使えるものを選んだ。イコライザーについてはすべてオフに設定し、ボリュームカット(大音量による事故を防ぐ機能)もオフにした。
曲については、3つのデバイスすべてに入っていた曲の中から、フュージョンから1曲、ストリングスがきれいな曲を1曲ずつ選択した。
曲とイヤフォンの組み合わせごとに、ランダムな順番でアプリケーション(とそれを再生するデバイス)を使用し曲を再生、感想を書き留めた。デバイスの切り替えの有る無しで再生デバイスが分かってしまうため、イヤフォンはアプリケーションの切り替えごとに一旦抜き差しした。


総合結果をまとめると、以下の通りに。

iPhone - Music
 最も癖が無い(逆に言うと面白みもあまり無い)印象を受けた。中音域が豊かで、高音と低音も素直に出ている。高音がきれい、という感想が多かった。

Galaxy S4 - Play Music
 自然に伸びる高音(上品な伸び方)と標準的な中低音。あまりパンチは無いが物足りない感もない。

Galaxy S4 - Music
 組み合わせの中で最も低音の出力が大きい。曲とイヤフォンの組み合わせによっては大きすぎてすこし不自然な感じがした(*2) 一方、中音域は自然だが高音がくすんで聞こえた。

Galaxy S4 - Double Twist
 曲とイヤフォンの組み合わせ全般を通して、最も楽器の定位がしっかりし分解能が高かった。特にピアノの音が奇麗に鳴ったのが印象的。

Xperia UL - Walkman
 重低音ではなくキレのある低音が特徴的。ただし高音はすこしくすんで聞こえる。たまに中音域にバンドパスフィルターがかかったように感じる(特に Summer の場合)。


以上が、イコライザーオフの状態でのテスト結果である。イコライザーオンのテストはしていないので、あくまで(ユーザー操作による)イコライザーの加工前の音に対する印象となる。

デバイス間で違いがあるのは予想されたが、同じ Galaxy S4 でもアプリの違いによって音が異なる印象を受けたのに驚いた。どれもAndroid 標準のAPIを使用してデコード処理をしているだろうしハードウエアは同一なので、あとは各アプリが(ユーザーが設定できる)イコライザーの前段で内部イコライザー処理をしているのではないかと予想する。

本当は EarPod と Bluetooth Headset も試してみたかったのだが、EarPod は探しても見つからず、Bluetooth Headset は操作上切り替えが難しいので断念した。
次は Shure のカナル型イヤフォンと AKG のヘッドフォンで試してみたい。


ここまでやってみてこういう結論を出すのは反則だが、イコライザーをいじっても良いのであれば Xperia UL - Walkman で "ClearAudio+" 設定オンがベストといえる。
ただしアメリカに住んでいる関係でいつも Xpeira UL を持ち歩く訳ではないので(ULはauのスマホ)、GS4 なら Double Twist を使い、iPhone のときはイヤフォンに応じて Base Booster をオンにして使うと思う。まあこれまでもこの組み合わせで使ってきたし、順等なんだろうとは思う。


(*1) 多分単体で買うことはできないと思う。ちなみに、MH10+Xperia TL+Walkman(app) で "ClearAudio+" 設定オンの状態で聴いた時は感動し「もうiPhoneで聴くのをやめよう」かと思った。

(*2) とは言うものの、これはあくまで個人的な好みである。今巷ではやりの重低音ヘッドフォンが好きな人にとっては、これが普通なのだろう。




2013/05/07

懐メロって(米国の場合)

私の所属している Wesley Jazz Ensemble の主な活動の場はボランティア演奏である。
San Jose Japan Town の日系祭り等の Japan Town 関連の大規模な催物や Boy Scouts 主催のイベントに出演する事もあるが、それに加えて老人ホームの慰問や敬老会での演奏も大事なパフォーマンスである。

もろに老人向けイベントでなくても、例えば教会や仏教会等で募金集めのダンスパーティーをすると、お客さんはどうしてもお歳を召した方が多くなる。
すると当然レパートリーもお客様指向で自然とその方達に喜ばれる物となり、必然的に Swing とか、古い日本の歌とかになるのだ。

どの場合でもまず間違いなく聞いてもらえる”堅い”曲の定番は「上を向いて歩こう」だろう。この曲はアメリカでも大ヒットしたので、一定以上の歳の人はまず誰でも知っている。

それからSwingの定番曲が続く訳なんだが、つい昨日の日曜日、Mountain View の仏教会での敬老会での演奏の前にふと思いついた。
「10年後はもうSwingって演奏してないんじゃね?」

Wikipedia によると、Swing の全盛期は1930年代らしい。まあ幅を広く見積もって1945年くらいまでとしよう(第2次世界大戦の終結くらいまでかな)。このとき青春時代を送っていた人たちは、今大体80歳から90歳くらいではないか。まあ、今のお客さんたちの年代にぴったりとマッチする。90歳くらいの人も普通に聴きにきてくれますし。

10年後には、同様に考えると1955年くらいまでに青春時代を送った人たちという事になって、メインはR&B/Rock'n'Roll になってくる。をを、すると10年後には懐メロと称して演奏するのはロックンロールになるのか。

 ということは、このバンドで Swing をいやほど演奏できるのはあまり長くなさそうだ。今のうちにしっかりとものにしておかないとな。

一方で、こちらでは高校生でもSwing のダンスは習ったりしているし、懐メロという位置づけを超越してSwingは生き続けるのかもしれない。いやぜひそうあってほしい。ダンスパーティーで70代かそれ以上のご夫婦が普通に踊っているのを見ると心底すごいと思う。単純にそういうのってずっと続いていってほしいなぁ。


2013/04/15

昭和ヒッツーおじさんキラー

つい先週の金曜日、ANA で日本から帰ってきたのだけれど、その中のオーディオサービスで大ヒットのプログラム発見!

なにこのおじさんの琴線をくすぐりまくる選曲わ!この選曲をした担当者に会って直接お礼を言いたい。映画を見ていない時はずっとリピートで聴いてましたよ。

まず1曲目が「卒業」で、荒井由美でもなくハイファイセットでもなく斉藤由貴である所が渋い。この「卒業」と「AXIA」と「白い炎」が入っている斉藤由貴のファーストアルバムは個人的に高く高く評価している。

太田裕美の2曲が特にすばらしい。改めて聴くと「木綿のハンカチーフ」の名曲さが際立つ。近頃の曲で、これほど1曲の中でストーリーを聴かせてかつサウンドも最高な曲があるだろうか。もちろん次の「しあわせ未満」もあわせて、太田裕美の声だからこそ説得力があるわけである。
ちなみに当時小学生だったのだが、ピアノの先生に太田裕美の曲が良いといったら「顔が良いんだろ」と言われ続けてへこんだ。

そして石川ひとみの「まちぶせ」。これは楽曲の良さに加えて松任谷正隆のアレンジとベースラインのかっこよさがたまらない。石川ひとみも下積みが長かったのでやっとヒット曲が出てよかったね、と家族で喜んだものである。とか言っていたら母親が「いやこの子は二十歳そこそこなのに同棲していたらしい」とか言い出し、大人なんだから良いじゃないかほっといてやれよ、とか思ったのを覚えている。

薬師丸ひろ子の2曲は、いいよね。今でもこのストレートな歌い方変わってないよね。今の方が格段に歌がうまいけど。声そのものがきれいだから凄く得してると思う。

で、最後に柏原よしえの「春なのに」なんだが、 今思うによくこんな悲しい歌を中学生アイドルに歌わせたな、という気はする。

リンリンランランは...ごめん、この2曲だけ全く覚えてなかった。ごめんなさい。

40代50代をねらったマーケティングだというのは分かって入るのだが...でもやっぱりまんまとはまっている自分が情けない。太田裕美のベストを買うかどうか悩んでいる。


2013/04/02

いまさらだけど Let It Be... Naked を衝動買いした

iTunes Music Store に Let It Be... Naked がやってきた!という Tweet を見て、思わず衝動買いしてしまった私。思えばCD発売の時はCCCD扱い(日本でだけ?)だったので買わず、それからは意地でも聴いてやるものかとやせ我慢していたが、やっぱり買ってしまった。

で、やっぱり後悔しましたよ。さっさと買っておけば良かった。これを聴かなかった年月が実にもったいない。

公式の Let It Be とは全く別アルバムに仕上がっている、とまでは言わないけれど、サウンドはまるで別物。シンプル、パワフル、クリアでやっぱり Beatles ってこうだよね、とうなずくサウンド。ひょっとして Mastered for iTunes だから?

どことなく雰囲気的に Help! に似てると思うけど、そう感じるのは私だけだろうか。


実はまだ1回しか聴いていないのだけど、後で見直す時のために今の感想を書いておこう。

「For You Blue」実はこの曲に一番の違いを感じた。正直、Let It Be バージョンのこの曲はあまり好きではなかった。ジョージの声が埋もれてしまっていて、この曲の何が面白いんだろうと思っていた。ところがNakedバージョンではジョージのボーカルがとんでもなく魅力的に聞こえる。バックのギターのカッティングも、全体のノリも最高!私の中では、この曲が Naked の中で一押し。

「Don't Let Me Down」シングルとは別バージョン。シングル盤もとても好きだが、Naked バージョンの方が荒削りでライブ感ありあり。ジョンとポールの息も微妙に合っていて超はまる。これもおすすめ!

「Across the Universe」 Let It Be バージョンよりNakedバージョンの方が絶対いいよ。余分な飾り付けが全くなく、シンプルでほとんどジョンが歌っているだけ、という錯覚に陥るんだけどそれが良い。もしこの曲が発売されてなくて、ジョンの死後テープが発見されて、とかだったら、「Real Love」みたいに後付けシングルになるのかな、と思ったりもした。

「Let It Be」これはLet It BeバージョンもNakedバージョンもそれぞれに良さがあるけど、Nakedバージョンのジョージのソロだけはいただけない。いやLet It Be バージョンも単に慣れかもしれないけど。

他の曲ももちろん良い。Naked を聴くと、ポールが「原点に帰ろう」という意図を込めてつくりたかったアルバムがどのようなものだったかよくわかる。結果的にLet It Be はオーバーダビングしまくりのごてごてサウンドになってしまい、当初の意図とは似ても似つかぬものになってしまった訳だが、でもNaked を聴くまでは本当はどうあるべきだったか、は分からないよな。

当時、「The Beatles」「Yellow Submarine」と来て「Abbey Road」も先に発売されてしまったら、それまでのサウンドの完成度から考えて、このNakedみたいな音のアルバムを発売できなかった事情はよく分かる。でもこうやってNakedを聴くと、こっちで発売してほしかったなという思いは強くなる。

そしてNakedを聴かなかった期間についてまた後悔してしまうのだった....



2013/03/17

経歴20年と30年の差(が大した事がなかったら)

つい先日、Facebook である人とチャットしている時に、「エレクトリックベースをもう20年ほど弾いてます。まだまだ下手なんですけどね」などとさらっと書いてしまった。

その時には何も思わなかったのだが、その後犬の散歩をしている間にとんでもないことに気付いてしまった。

実は20年じゃなくて30年だった。orz....

恐ろしい。30年という年月はおぎゃあと生まれた赤ちゃんがいい大人になってしまう位長い年月だ。これだけ長い間、結構な時間ブランクはあったとしても、ずっとベースに触ってきてこの程度の腕とは...情けなくて超落ち込む寸前で踏みとどまっている状態だ。

なんでこのような事態になってしまったのか。理由は簡単で、練習が十分ではなかったからだ。
プロはまた違うかもしれないけれど、アマチュアであっても人様に聴いていただく時には恥ずかしくない演奏をしたいし、レパートリーも増やしたい。納得いかない演奏をした直後には「これじゃいけない」と毎回思うのだが...練習を定期的にきっちりとこなし、目標を再設定し続けてきた人なら、これだけの年月を重ねればもっともっと素晴らしい演奏ができるようになっているはずだ。

20年と30年の違いは、単に年月の違いだけではなくて、今後の10年の予想をはっきりと見せてくれる。

このまま自分の行動が変わらなければ、 今から10年後、自分の演奏能力はうまく行っても「過去10年で向上した」分以上は向上しないだろう。歳を取るにつれて音感も鈍ってくるだろうから、うまくしないとひょっとしたら下手になって行くかもしれない。

昨日の Jazz Katsu イベントでも、本職のリタイア後にミュージシャンとして活発に活動している人達とお話をする機会を得た。自分にとってはまさに理想的な将来... しかしこのままではまずい。

年始に立てた今年の目標の1つ、「一週間にベースを2回以上触る」に加え、ジャズにしろフュージョンにしろお手本になる曲と演奏を見つけて「分析する」をノルマにしようと思う。

実はこれ、ベースだけじゃなくて仕事でも同じだったりするよなぁ、と思ったり。つい最近転職したばかりなので、これから数年でどのくらい自分を伸ばせるのか、客観的に分析しつつ工夫して行こうと思う。

写真は30年間連れ添ってくれた BB3000。