2013/05/07

懐メロって(米国の場合)

私の所属している Wesley Jazz Ensemble の主な活動の場はボランティア演奏である。
San Jose Japan Town の日系祭り等の Japan Town 関連の大規模な催物や Boy Scouts 主催のイベントに出演する事もあるが、それに加えて老人ホームの慰問や敬老会での演奏も大事なパフォーマンスである。

もろに老人向けイベントでなくても、例えば教会や仏教会等で募金集めのダンスパーティーをすると、お客さんはどうしてもお歳を召した方が多くなる。
すると当然レパートリーもお客様指向で自然とその方達に喜ばれる物となり、必然的に Swing とか、古い日本の歌とかになるのだ。

どの場合でもまず間違いなく聞いてもらえる”堅い”曲の定番は「上を向いて歩こう」だろう。この曲はアメリカでも大ヒットしたので、一定以上の歳の人はまず誰でも知っている。

それからSwingの定番曲が続く訳なんだが、つい昨日の日曜日、Mountain View の仏教会での敬老会での演奏の前にふと思いついた。
「10年後はもうSwingって演奏してないんじゃね?」

Wikipedia によると、Swing の全盛期は1930年代らしい。まあ幅を広く見積もって1945年くらいまでとしよう(第2次世界大戦の終結くらいまでかな)。このとき青春時代を送っていた人たちは、今大体80歳から90歳くらいではないか。まあ、今のお客さんたちの年代にぴったりとマッチする。90歳くらいの人も普通に聴きにきてくれますし。

10年後には、同様に考えると1955年くらいまでに青春時代を送った人たちという事になって、メインはR&B/Rock'n'Roll になってくる。をを、すると10年後には懐メロと称して演奏するのはロックンロールになるのか。

 ということは、このバンドで Swing をいやほど演奏できるのはあまり長くなさそうだ。今のうちにしっかりとものにしておかないとな。

一方で、こちらでは高校生でもSwing のダンスは習ったりしているし、懐メロという位置づけを超越してSwingは生き続けるのかもしれない。いやぜひそうあってほしい。ダンスパーティーで70代かそれ以上のご夫婦が普通に踊っているのを見ると心底すごいと思う。単純にそういうのってずっと続いていってほしいなぁ。