2009/04/29

音楽メタデータの独占は音楽ネットサービスを破壊するか

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090427/169353/ より、どうも音楽メタデータがMacrovisionによって独占(言い過ぎだったら寡占)状態になってしまう懸念がある様子。

一番分かりやすいのが CDDB の情報だ。パソコンにCDを挿入し何らかのプレイヤーが起動したら、自動的にネットにアクセスして曲名等の情報をダウンロードして表示するのが一般的だが、この情報を得るためのコストが上がってしまったらどうなるか。
特に非常に利益の薄いインターネットラジオのサービス等には大打撃になるのではなかろうか。

また、これはひょっとしたら正しい理解ではないのかもしれないが、これまでのCDDBにはボランティアにより入寮された情報が多々あると思っているのだが、これらの扱いについて、問題にはならないのだろうか。

もしも結果として情報が非常に使いにくいものになってしまった場合は、フリーの新しいサービスを立ち上げる団体が出てくるのだろうか。

個人的にはこれ以上音楽関係のネットサービスを苦境に陥れるような状況にはなってほしくはない。今後もモニターを続ける必要がある。

2009/04/27

衝撃の音楽-今最もホットな歌手

もともと CDDB 関連の話題を書こうかと思ったが、こちらに変更。

8:31 PDT April 26, 2009 の時点で最もホットな歌手と言えば...もちろん Susan Boyle だ!


まだ知らない人、聴くべし。

久々に、本当に、驚いた。同時に、自分がどれだけ本質ではなく見た目で判断していたかを思い知らされ、自分も強い偏見という物をもっているのだという事実を突きつけられた。

2009/04/25

Flecktones はプログレ

私は日本にいる間は Bela Fleck を聴いた事が無かった。こちらに来てから、Wesley Jazz Band のメンバーに勧められて Flecktones のライブDVDを見てぶったまげたのが最初だ。

で、ベーシストを見たことがあると思ったら Victor Wooten だったという... ベーシストとしてはそれだけで必聴である。
それから何枚か Bela Fleck & The Flecktones のアルバムを聴いたが、やはりベストなのは「Outbound」だ。

このアルバムはプログレファンにも必ずや受け入れられると思う。
まず2曲目が ELP でもおなじみの「How Down」である(ELPのアルバム「トリロジー」の6曲目)。
また3曲目の「A Moment So Close」にはイエスのジョン・アンダーソンがゲストボーカルとして参加している。
6曲目の「Earth Jam」はまるでイエスそのもののような急激な曲展開、変調子、各人のソロが楽しめる。
アルバム全体も非常にバラエティ豊かな作りとなっており、ポップ/カントリーを基調としながらも、ファンク、ジャズ、中近東、ロックを融合させた見事な物である。なにより聴いていて全く飽きない。

上に上げた3曲目と6曲目など、イエスが「Union」あたりに紛れ込ませたとしても分からないくらい(いや分かるけど)イエスっぽい。明らかに意識しているんじゃないかと思うくらい。Victor Wooten のベースも、スラッピングでプレイしているにも関わらずまるで Chris Squire のように聞こえる。ただ Victor のほうが上手いと思うが。

ベーシストとしてもやはりこのグループは外せない。ギタリストがいないので、Victor がその分の音域を埋めている。バンジョーは和音のストロークでうわーっと音を埋める事は難しいので(訂正:ディストーションをかけていれば可能。事実そうやっている箇所がある)、ベースの小技でそこをフォローしている訳だ。だが自然すぎて注意しないと聞き逃してしまうくらいで、そこがまた Victor がすばらしい所だ。

個人的には4曲目の「Zona Mona」も大好きだ。とてもさわやかな曲で、朝目覚めるのにぴったりだ。

2009/04/21

モノラルのサージェントペパーズ

「アメリカでがんばりましょう- モノラルじゃなきゃ本物の Sgt. Pepper じゃない?」より、じつはモノラル盤こそが本物のSgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band であるとの情報を得る。

大変だ!これは逃せない。しかし Box Set のみだと経済的にきついなぁ...

個人的には、Sgt. Pepper はビートルズのアルバムの中でも好きな順からするとあまり上位にはこない。それぞれの曲があまりにもアルバムにとけ込んでしまっているから個性が薄いのか、あまりにもサイケで感覚に合わないのか、いつも聴きたいアルバムではない。が、ステレオがモノラルになっているだけでなく、テイク自体も違ったり、ミキシングも違うとなるとどうしても確認したくなるのはビートルズファンとしては当たり前だ。

さて、9月に向けて貯金を始めるとしようか...

2009/04/20

Airplay は今でも理想のサウンド

今日のお題はAirplay (エアプレイ) だ。Air Supply ではない。

今朝聞き直してみたのだが、何といえばいいか、今でも個人的には理想のサウンドだとしか言いようがない。自分のバンドでこんな音が出せたら、もう自己満足しまくるのではないだろうか。




実はリアルタイムには「She Waits For Me」がなぜか耳に残っていたくらいで、エアプレイというバンドを知ったのは大学を卒業した直後に復刻版CDを買った時だったりする。しかし、そのCDを聞いたとたんに「ああ、ここから始まったんだ」というのが納得できた。80年代前半の歌謡曲のサウンド、ジャパニーズフュージョンのサウンドの原点がそこにあった。

もちろん絶頂期を過ぎた後はそのサウンドは廃れた訳だが、今でも「古くさくて笑ってしまう」ユーロビート等とは一線を画していると...個人的には...思う。

特に Jeff Porcaro のドラムがすばらしい。David Foster のキーボード、Jay Graydon のギターと Jeff のドラムが揃えばエアプレイサウンドが出来上がる。

ということで、70年代後半から80年代前半をもう一度味わいたい人はぜひ。

(アメリカの Amazon MP3 Store には曲が無かった。なぜだろう)

2009/04/19

Billy Joel を聞いて元気が出た

突然だが Billy Joel を聞いて元気が出た。

iPhone で彼の Greatest Hits を聞いていたら、突然歌詞が分かったような気がしたので My Life を聞き返してみるとそれは(また個人的な解釈だが)若者が親元を離れ独り立ちした心境を歌ったものだった。いや、親からの電話に対して「大丈夫だからほっといてくれ」という歌の方が近いかもしれない。

「別に親子の縁を切った訳じゃないし、いつも想っているけど、もう自分のやりかたでやっていけるんだから放っておいてくれ」という感じかな。いかにもアメリカ的。何でか分からないが聞いているうちに元気が出てきた。
ちなみに Pressure もすごい気がする。「これまではなんとかやってこれたけど、それじゃどうにもならない時が必ず来る。その時に感じるプレッシャーはすごいぞ。」という、脅してるんだか励ましてるんだかよくわからないメッセージだと解釈した。それでも応援歌のように感じるから不思議だ。

My Life の触りはこちら http://yiqyaq.com/t6/7rj

2009/04/13

YiqYaq で英語での Job Interview の練習を

音楽とは直接関係なくて恐縮だが、YiqYaq の面白い使い方を一例紹介する。

特に日本に住んでいて外資系企業等をターゲットに就職活動している方々に役に立つかもしれない Interview - General - CHANNELという YiqYaq Public Channel が設定されている。
ここには、主にアメリカ企業に就職する際の Job Interview でなされるであろう質問が録音されている。質問はテキストスピーチによる自動読み上げによるものと、ネイティブスピーカーによる生録音が含まれている。

使い方だが、まずこのチャンネルを購読し、トラックを1つ聴いたところで再生を一時停止し、自分の答えを言う、という事を繰り返す。質問はほぼランダムに再生されるので、質問の順番による慣れを防ぐ事が出来る。

もちろん質問に対する正しい唯一の答えはないのだが、それをあらかじめ準備し、すらすらと答えられるようにするのがインタビュー対策というもの。偉そうに書いてあるが私 ibass3000 もまだまだ練習中である。

英語のヘルプファイルはこちらにある。

また、YiqYaq のトラックのサンプルは以下の2つを参照してほしい。

What distinguishes you from nineteen other people who can do the same tasks that you can?


What is your greatest strength?


Good Luck!

2009/04/10

No Son Of Mine の歌詞は重い

そもそも3人になってからのジェネシスをプログレと呼んでいいかは疑問だった。
疑問だったのであまりまじめに聴いていなかった。

間違いだった....

図書館から借りてきた We Can't Dance のアルバムには珍しく歌詞の入ったブックレットが入っていた。こちらの図書館はみな扱いが乱暴で、CDなどケースが壊れているのは当たり前、ジャケットも白黒のコピーと入れ替わっていたりする。もちろんCDは傷だらけだが、ほとんどの場合音楽CDはなんとか聴ける。

1曲めは No Son Of Mine. 歌詞を読んで曲の全く印象が変わった。ネタバレになるので申し訳ないが、私の理解では、ある非常に夫婦間に問題がある家庭の息子がたまらずに家出してしまい、大きくなってから思い直して家に戻ってみるのだが、父親から「一番大変な時に家族を捨てて出て行ったお前など私の息子ではない」と言い渡される、という内容だ。まあ、救いも何も全くない。

やはりジェネシスはプログレだったのだなあ。

ということで、遅まきながら3人ジェネシスを復習していく予定である。

No Son Of Mine  曲の触りはこちら http://yiqyaq.com/t6/xen

2009/04/09

音楽が無料化されたら


レコード会社は、録音された音楽がストリーミングやダウンロードを通じて無料になっていくことを完全に理解している - 「大手レコード会社はいずれ降伏する, しかし2011年までは悪あがきする」Tech Crunch Japan

リスナーとしては単純に無料になればうれしいことは確かだ。
それでは無料化された後はどのような世界がやってくるのだろうか。

「音楽の解放」- Geekなページ さんへのコメントが自分でも気に入っているので自己引用すると、
  1. 低コストで音楽を制作できるシステムが驚異的な早さで進化する
  2. ものすごい量の音楽が氾濫し、何にでも音楽がおまけでついてくるようになる(がそれもすぐに当たり前になり廃れる)
  3. もはや普通の人は音楽を空気と同じにしか感じなくなる。ちゃんと音楽を楽しみたい人は、エキスパート(選曲したりレコメンデーションを出したりするひと)からの情報に頼るようになる。そこでこのエキスパートはお金を稼げるようになる
短期的にはアーティストの収入はライブやイベントで稼ぐ事が出来る(または稼ぐ事が出来るアーティストのみが生き残る)のだろうが、それが出来るのはどちらにしてもほんの一握り。チケット価格の高騰によって、長期的には売り上げも減っていく可能性が高いと思う。

そうすると、問題はその状態でも私たちはすばらしい「新しい」音楽を聴き続ける事ができるかどうか、ということになる。これから先懐メロばかりを楽しんでいくのは悲しすぎる。音楽を革新していく新人アーティストはどのようにして生活を成り立たせるのか。

以下のような可能性を考えてみる。
  • 音楽家は(ほとんど)総アマチュアミュージシャンとなり、自身の楽しみと名誉のために活動する
  • 音楽家は(ほとんど)おかかえミュージシャンとなり、パトロンのために活動する。
前者の場合、音楽至上主義のミュージシャンには理想的な世界かもしれない。名前を売るための理不尽なプレッシャーもなくなるだろう。ただしアマチュアであるがゆえに、それだけでは食べていけず、本業(もしくは副業)を持つ事が必要だ。リスナーの立場からすれば、豊富な音楽が何らかの形で流通していれば良い訳だから、問題は無い。

後者の場合、バロックの時代のシステムに先祖帰りしたように見える。領主や金持ちがパトロンだった昔と違い、大多数のパトロンは企業ということになるだろう。おかかえミュージシャンは企業のマーケティング戦略の一旦を担う立場でプロとして音楽活動を行い、リスナーはその前提を分かった上で作品を楽しむことになる。

多分この2つの両方が共存するような気がする。

どちらにしてもこの先プロのミュージシャンになるのはこれまでより一層難しくなると思われる。


2009/04/07

YiqYaq の iPhone App 使い方ビデオ

YiqYaq の iPhone App の使い方ビデオが YouTube にアップロードされた。
英語版のアプリでかつ解説も英語だが、使い方のフィーリングは分かってもらえると思う。





もしも、万一、ビデオの日本語化のご要望があれば、このエントリにコメントを残してほしい。

2009/04/06

Play That Funky Music!

今日も小ネタ。

このほど私の所属する Wesley Jazz Ensemble のレパートリーとなった Play That Funky Music は思い出深い曲だ。

私が11年前まだ日本で BMC という会社に勤めていた頃、本社のある Houston に出張したおり、たまたま地元のフェスティバルがあった。暇だったので出かけてみたら、野外ステージでバンドが演奏している。

アマチュアバンドだということだったので期待しないでいたのだが、結構うまい。後で聞いたらボーカル兼ギターの人だけは半分プロだったらしいので、レベルも高かったのだろう。
そのバンドが最後に演奏したのが Play That Funky Music だった。もちろん曲自身は知っていたのだが、その時は曲名が思い出せなくて一緒に行った同僚と「あーこれ何て曲だったっけ、思い出せないー」と頭をかきむしった事を覚えている。
一介のアマチュアバンドでさえこれだけすばらしい Funk Rock を演奏できるとは、やはりアメリカの音楽のレベルって日本と違ってものすごく高いんだなーとちょっと落ち込んだ。

今になってみるとそんなに日本の状況を卑下することも無かったと思うが、アメリカのアマチュア音楽家の層がとてつもなく厚いことは確かだ。

原曲のさわりを聴いてみたい方はこちら