レコード会社は、録音された音楽がストリーミングやダウンロードを通じて無料になっていくことを完全に理解している - 「大手レコード会社はいずれ降伏する, しかし2011年までは悪あがきする」Tech Crunch Japan
それでは無料化された後はどのような世界がやってくるのだろうか。
「音楽の解放」- Geekなページ さんへのコメントが自分でも気に入っているので自己引用すると、
- 低コストで音楽を制作できるシステムが驚異的な早さで進化する
- ものすごい量の音楽が氾濫し、何にでも音楽がおまけでついてくるようになる(がそれもすぐに当たり前になり廃れる)
- もはや普通の人は音楽を空気と同じにしか感じなくなる。ちゃんと音楽を楽しみたい人は、エキスパート(選曲したりレコメンデーションを出したりするひと)からの情報に頼るようになる。そこでこのエキスパートはお金を稼げるようになる
そうすると、問題はその状態でも私たちはすばらしい「新しい」音楽を聴き続ける事ができるかどうか、ということになる。これから先懐メロばかりを楽しんでいくのは悲しすぎる。音楽を革新していく新人アーティストはどのようにして生活を成り立たせるのか。
以下のような可能性を考えてみる。
- 音楽家は(ほとんど)総アマチュアミュージシャンとなり、自身の楽しみと名誉のために活動する
- 音楽家は(ほとんど)おかかえミュージシャンとなり、パトロンのために活動する。
前者の場合、音楽至上主義のミュージシャンには理想的な世界かもしれない。名前を売るための理不尽なプレッシャーもなくなるだろう。ただしアマチュアであるがゆえに、それだけでは食べていけず、本業(もしくは副業)を持つ事が必要だ。リスナーの立場からすれば、豊富な音楽が何らかの形で流通していれば良い訳だから、問題は無い。
後者の場合、バロックの時代のシステムに先祖帰りしたように見える。領主や金持ちがパトロンだった昔と違い、大多数のパトロンは企業ということになるだろう。おかかえミュージシャンは企業のマーケティング戦略の一旦を担う立場でプロとして音楽活動を行い、リスナーはその前提を分かった上で作品を楽しむことになる。
多分この2つの両方が共存するような気がする。
どちらにしてもこの先プロのミュージシャンになるのはこれまでより一層難しくなると思われる。
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